雅な雰囲気の奈良県民
京都と並び称せられる古都・奈良。といっても、県全体が「都」であったわけではありません。そのほとんどは、低いながらも山と丘陵で、その昔「都市」だったのはほんの一部です。
それでも「都」が置かれていたというのはやはりたいしたことのようです。
いまなおこの県の人たちには、どことなく余裕があるというか、場合によっては雅【みやび】な雰囲気をただよわせていることすらあります。
といって、おつにすましていたり上から目線だったりはしません。こまごまとしたことは気にしない、超越している──そんな感じでしょうか。「あくせくせんでも(しなくても)、世の中、なるようにしかなりまへんがな(なりませんよ)」といった声が聞こえてきそうです。そのせいでしょう、奈良では時間の流れがとてもスローに感じられます。
そんな奈良県ですが、近ごろは大阪からの人口流入が激しいようで、落ち着きが失われつつあるとの声も聞こえます。それは、そうでしょう。大阪といえば、全国でも指折りのせっかちな人たちが多いところなのですから。
奈良県民との恋愛はゆっくりとさりげなく
ガツガツしていないのは、はるか昔の時代から、伊勢神宮詣でや熊野詣でなど、いまの和歌山県や三重県にある観光スポットへの通り道になっていたこともあります。
それほど努力しなくても、多くの人がやってきてお金を落としてくれるのですから、こんなありがたいことはありません。ただ、いまでもよく指摘されますが、その分サービス精神はいまイチといったところがあります。
こう書くと、お付き合いするのはけっこう大変ではないかという気がします。のんびりしているのだから疲れずに済むと思う人もいるでしょうが、何もせずにいると、だらだら時間が過ぎていくだけ、関係がいっこうに発展しないといった事態にもおちいりかねません。気がついたら2,3年、何もなしにいるというケースも珍しくないのです。
そこで、奈良県の人と付き合う場合は、どこか適当なタイミングで積極的に仕掛ける必要があります。
ただ、その場合「なにげに」というのがポイントになります。場の設定やパフォーマンスにあまり力を入れ過ぎると、かえって逆効果になる恐れがあります。あくまで、「ゆっくりと」「さりげなく」を心がけてください。
ベッドの上でもそれは同じ。過激な言動はつつしんだほうが無難です。どんなに相手を求める気持ちが強くても、それはできるだけ抑え、相手がその気持ちを発するまでは、落ち着いて臨むようにしましょう。
奈良県民と相性が良い県は?
奈良よりはるかに長い間「都」であった京都の人とは波長もピッタリ、けっこういい関係が築けそうです。また、おくゆかしさが尊ばれる山陰地方の島根、鳥取、兵庫県の日本海側、のんびりしている宮崎や静岡の人たちとは相性がいいでしょう。
サービス精神が豊かな福岡、長崎、兵庫(瀬戸内海側)の人ともスムーズに付き合えるにちがありません。
逆に、なかなかうまく行かない筆頭は大阪。大分や徳島、岡山、滋賀などとも角を突き合わせることが多いのではないでしょうか。
高知や山口、広島、また東京や神奈川、千葉、埼玉など首都圏の人も、ペースを合わせるのに苦心するかもしれません。福井、石川、富山といった北陸地方の人も、奈良のスローさにはイライラさせられる恐れがあります。「それでも……」という思いが強いのなら、どこまで我慢できるか、それがカギとなります。
セックス&恋愛傾向まとめ
性格や傾向から見えてくる夜の県民性は…
- さりげなく誘われると弱い
- 青春のようなシチュエーションが好き
- 激しすぎるキスに引きがち
- 相性がいい都道府県 京都
1950年、三重県生まれ、名古屋育ち。
1976年に東京大学文学部を卒業後、8年間の出版社勤務を経て、株式会社エディットハウスを設立、現在に至る。
●主な著書
新・出身県でわかる人の性格/踏んだら最後! 県民性の地雷原/新・不思議の国の信州人/北海道から沖縄まで 日本全国「ヨイショ」のツボほか多数。