気持ちに余裕がある茨城県民
あまり広くは知られていないものの、東京都民の台所は茨城県によってまかなわれているといっても過言ではありません。関東平野の東端に位置し、太平洋にも面しているだけに、農業も水産業も盛んであることを考えると、けっして不思議ではないでしょう。
最近は東京から移り住み、豊かな土地ときれいな空気のありがたさをエンジョイしている人も多いといいます。そんな茨城県に生まれ育った人は、当然のことですが、気持ちに余裕がありそうです。
昔よくいわれた「水戸(県庁所在地)の三ぽい」、つまり「理屈っぽい」「骨っぽい」「怒りっぽい」も、近ごろはそれほど顕著でなくなりました。都市化が進むにつれ、そうした古くからの気質は薄まるつつありますが、そのスピードが速いのです。逆にいえば、それほど茨城県は変化が激しいのでしょう。しかし、気持ちの面での余裕はいまなお強く息づいているようです。
恋も、SEXも「じっくり」「ゆっくり」
茨城県の人と上手に付き合うには、そのことに由来するゆったりさを考えに入れる必要があるでしょう。何をするにもけっしてあわてない──それが大事なポイントといえます。
都会人として育った人はそのあたりの感覚がなかなか飲み込めないようで、ついつい気持ちがはやってしまうものです。それが思わぬ衝突を招くこともあるので、よくよく気をつけましょう。
恋も、SEXも急(せ)かさないこと。「じっくり」「ゆっくり」を心がけながら接していけば、よほどのことがないかぎり道は開けます。そのとき、茨城県人は「理にかなっているかどうか」ということを重視しますが、それは「三ぽい」の名残かもしれません。
筋を通す人は評価しますが、考え方がいい加減というか、その場しのぎ的な感覚が目につく人はなかなか受け入れようとしません。当然、浮気や二股はNGです。
茨城県民とペースを合わせられるのは?
そんな茨城県の人たちのペースに合わせるのが得意なベスト3は、隣の埼玉、栃木、福島。
自分らしさを押し出そうとする千葉やせっかちな群馬の人とは、呼吸が合いにくいところがあります。
東京や神奈川の人は、もともとのルーツがどこかによっても違うので一概には断定できませんが、多少イライラを感じることもあるでしょう。
新潟や富山、石川、福井、静岡、愛知、岐阜、三重、奈良とは問題なさそう。都市化のレベルが、茨城とほぼ共通しているからです。東北も、宮城と秋田は別として、ほぼ波長が合うのではないでしょうか。
逆に、せっかちで鳴る大阪とはちょっと厳しいかなという感じがします。
北海道、福岡とはうまくやっていけるでしょう。スピード感は違いますが、どんな人に対しても寛容ですし、自分を強烈に押し出さない=相手と合わせるのが上手だからです。その点、広島、山口、高知の相手は、その呼吸をつかむのに少し時間がかかるかもしれません。
「首都を支えてくれている茨城の人は偉い!」という敬意をときおりちらつかせながら、いつもよりややスローダウンすることを心がけながら付き合うようにすると、茨城県の人とは楽しい時間が過ごせるはずです。
セックス&恋愛傾向まとめ
性格や傾向から見えてくる夜の県民性は…
- 焦らし上手のテクニシャン
- じっくりゆっくりの天才
- 会話が楽しめないと冷めがち
- 相性がいい都道府県 埼玉
1950年、三重県生まれ、名古屋育ち。
1976年に東京大学文学部を卒業後、8年間の出版社勤務を経て、株式会社エディットハウスを設立、現在に至る。
●主な著書
新・出身県でわかる人の性格/踏んだら最後! 県民性の地雷原/新・不思議の国の信州人/北海道から沖縄まで 日本全国「ヨイショ」のツボほか多数。