習慣の違いを受け入れる寛大な県、山形!
山形県に昔から伝わる地域行事に、秋の「芋煮会」があります。どんな対立や確執があったとしても、このときだけは地域一丸となってまとまります。悲しみも憎しみも、大きな鍋で芋と一緒に煮てしまえばすべてゼロカウントに──そんな思いもあってのことでしょう。
地勢や気候の違いもあって、県内はだいたい4つの地域に分かれます。それぞれ方言が異なり、細かな風俗・習慣にも差があるようです。当然、ものの考え方も違うでしょうが、そうしたことにいつまでもこだわるのはナンセンスといった思いは共通しているようです。
東北でも1、2を争う豊かな自然が魅力の山形県。山すそのみごとなまでの広がりもプラスされ、美しさが際立つ鳥海山、火山でありながら女性的なやさしさを感じさせる蔵王山、自然の厳しさを忘れてはいけないと訴えているような凛々しさがある月山など、県の名前どおり、特徴のある「山」がいっぱいあります。県内、どこにいても「山」を目にしないところはないといっても過言ではありません。
その一方で、古くから京都・大坂(いまの大阪)と交流が深く、人々の文化センスもハイレベルの日本海側には平野が広がっています。上方(京都・大坂)の文化や風俗習慣は、最上川の水運によって県内の隅々にまで伝えられていきました。
大切な人には尽くします
冬が厳しく長いと、人間はともすると暗くなりがちですが、山形の場合、そうした部分がほとんど感じられません。底抜けに明るいわけではないのですが、だれもが心の底に希望の光を明るくともしているといった印象があります。「物」だけが幸不幸を左右するわけではないことを、実生活の中で感じ取っているのでしょう。
恋愛も、精神性が大切にされます。気持ちが通じ合えば、顔やファッションなどの見てくれや経済力とか地位などが、男性にとってハンディになることはなさそうです。誠実さが感じられれば、生活をともにする相手に対して底抜けの思いやりを見せるのが山形県の人。「尽くす」という言葉を地で行っているといっても過言ではありません。
この県の名物はそば。だからというわけではないでしょうが、細く長く生きるのがいちばん幸せといった考え方をしている人が少なくないようです。その分、波乱や激動、短時間での大きな変化に直面すると、あっさり引いてしまうところもあります。落ち着きのある淡々とした恋がいちばん似合っているのではないでしょうか。
山形県民と相性がいいのは?
山形の人たちとのデートは、フラットだけど、ちょっとおしゃれ──そんな組立てがいちばん喜ばれそうです。真面目で素朴というのをベースに、少しだけ都会の匂いを感じさせるような時間を過ごすことができれば、すんなり前に進めるにちがいありません。
そんな山形県ですから、ほとんど“全方位”というか、どの県の人ともギクシャクすることなくお付き合いができるように思えます。いまでも頑固さを失わずにいる福島(会津)や青森(東部の津軽地方)とは多少ギクシャクするかもしれませんが、それ以外の県の人とはおおむねうまく行きそうです。
長い歴史の中でつちかわれてきた上方風のスマートさが持ち味にしている人が多いので、多少の波風が立つようなことがあったとしても、そこは大人の対応で上手に乗り切ろうとします。それこそ、「芋煮会」の精神です。山形県生まれの人とはだれもがおだやかな付き合いが期待できるのではないでしょうか。
セックス&恋愛傾向まとめ
性格や傾向から見えてくる夜の県民性は…
- 尽くすのがピカイチ
- 愛のあるセックスはお任せあれ
- チャラい人アレルギー
- 相性がいい都道府県 島根
1950年、三重県生まれ、名古屋育ち。
1976年に東京大学文学部を卒業後、8年間の出版社勤務を経て、株式会社エディットハウスを設立、現在に至る。
●主な著書
新・出身県でわかる人の性格/踏んだら最後! 県民性の地雷原/新・不思議の国の信州人/北海道から沖縄まで 日本全国「ヨイショ」のツボほか多数。