江戸遊郭のセックステクニック
江戸の華とも呼ばれる吉原には、遊女を求め多くの男性が脚を運んでいました。
江戸の女郎屋主人のための指南書『おさめかまいじょう』は、女郎が性豪を満足させるための、あらゆる方法が書かれています。女性はオーガズムに達してしまうと体力を使い果たしてしまうため、これらは遊女にとって大切な技術だったのです。
『おさめかまいじょう』は江戸中期に、道後の遊郭の主人が、跡継ぎに女郎の扱いを教えるために書いた本で、写本として、代々秘密裏に伝えられていました。ここから『おさめかまいじょう』に記された、セックステクニックの数々をご紹介して参りましょう。
遊郭のテクニック：男性器愛撫
まずは男性器の愛撫の仕方から。
「男性が性的に強そうな時には、男性器を根元からしごいたり擦ったりすると、ますます先走りを出して、強く勃起する。
そういう時は、しばらく鈴口を指で押さえて、亀頭を擦る。先走りや唾で濡らした指で、亀頭を擦られると、男性は微妙な愉悦感を覚える。」
鈴口とは、尿や精液が出てくる部分。ここも性感帯のひとつですので、亀頭と一緒にダブルで刺激するということになります。性豪の男性向けとあって、刺激の強いテクニックですね。
遊郭のテクニック：挿入
続いて挿入ですが、ここにも遊女ならではの工夫がありました。先の愛撫をしたところで、以下の行為に続きます。
「そこで亀頭部や雁首を指で締め付けると、精嚢まで快感が響き、射精が半分ほど促される。
そうなったところで、素早く女性器に挿入し、大きく抜き差ししながら腰を揺らせば、百回ほどの抜き差しで射精させることができる。」
なんと挿入前に、半分ほど射精をさせるとのこと。そうすることで挿入後の女性器への負担を減らしていたのですね。男性が満足できるだけの快感を与えながらも、自信の身体を考慮した、遊女ならではの方法と言えるでしょう。
遊郭のテクニック：最高のフィニッシュへ…
遊郭の凄いテクニックを持ってしても、1度の射精では満足できない男性もいます。
そのような男性をも満たす最高のフィニッシュへ向けて、遊女のテクニックは炸裂します。一度目の射精後、以下のように続くのです…
「しかし、そこで抜いてしまうと、すぐに回復する男性もいる。そこで、射精をしても抜かず、膣を強く締めながら、九浅一深の抜き差しを続ける。同時に指で、男性器の根元をしごくようにする。
再び勃起したら、大きく抜き差しして揺らし、膣を締めながら、巴運動のように回したり、腰をしゃくりあげたりして、一気に二度目の射精をさせる。
ここまですれば、性豪と言えども、再度の交合を求めてきたりはしないものである」
いずれの動きも「膣を強く締める」ということが前置きとして書かれています。江戸の遊女の膣圧はいかばかりか…。相当鍛え上げられていたのではないでしょうか。
これらのテクニックは、私たちのセックスライフにも役立てることができるのではないでしょうか。
パートナー同士でも、のお互いの性欲が常に一致するとは限りませんよね。また、女性としては、射精して欲しいタイミングで射精してもらうのは、たいへん難しいものです。
充実したセックスライフのために、活かしてみてはいかがでしょうか。
1970年生まれ。1996年より、漫画原作者として活動。2009年、日刊誌連載「日本性史」にて、アダルトライターとして活動開始。
スマートフォンアプリ「セックスの日本史」、女性向けWEBサイト連載「蔦葛物語」「オンナとオトコの日本史／世界史」などの著作がある。
