男心は意外と複雑!?

現代日本女性のセックスアピールのなかで、代表的な部位と言えば「胸」でしょうか。女性の身体のなかでも随一の柔らかさを持つ「胸」は、男性には無い部位だからこそセックス・アピールになり得るのかもしれませんね。一方、江戸時代は誰もがキモノスタイル。着物では、胸は圧迫されて隠されてしまいます。しかし、江戸時代では屋外で授乳する母親は多く、気軽に目に入りすぎてしまうという面もありました。適度に強調され、適度に隠されないと、セックスアピールにはなりにくい…男心も、意外に難しいものです。
「小股の切れ上がったいい女」の「小股」って?

そんな江戸時代のセックスアピールを表す言葉として有名なのが、「小股の切れ上がったいい女」。この言葉には様々な解釈があり、研究者の間でも、結局のところどんな女性を意味するのか、よくわかっていません。そもそも「小股」とはどこなのか。あるテレビ番組では「足の親指と他の四本指との間、鼻緒を挟む部分」説が取り上げられましたが、これも決定的とは言いがたいようです。それでは、「小股」について、各説を分析してみましょう。
「小股の切れ上がったいい女」の「小股」の説
言葉には一番ぴったりですが、普段全く見ることができない部分がセックスアピールになるとは考えにくい。
これなら、着物の裾からチラチラと見えるので、有力な候補です。
むしろ上半身を指していた、という説すらあります。
しかし、そもそも「切れ上がった」という表現も、どんな様子を形容しているのか、よくわかっていないのです。
エロティックな川柳「ばれ歌」
これではらちが明きませんので、違うアプローチから、江戸女性のセックスアピールを追求してみましょう。
「にぎやかに 宵宮(よみや)は尻の ひねり徳」
「いそいそと つめられてきた 尻なでる」
「もやうには あらで尻(おいど)の 紅しぼり」
これらは、江戸時代に流行した川柳の一種で、このようなエロティックな川柳を「ばれ歌」とも呼びました。この「ばれ歌」では、「お尻」が取り上げられているものが多いようです。お尻なら、着物でも形がうかがえますし、現在でもお尻の大きな女性のことを「安産型」と呼んだりするように、お尻は、妊娠・出産能力の象徴とも言われていました。

江戸時代は「お尻」に集中していた!?
避妊法が発達していない江戸時代、セックスは妊娠に直結していました。そして、乳幼児死亡率の高かった江戸時代において、女性には、「子供をたくさん産むこと」が求められる傾向にありました。「小股の切れ上がったいい女」が、どんな女だったのかは想像するほかありませんが、江戸時代のセックスアピールが「お尻」に集中していたのはそういった側面もありそうです。
とはいえお尻は現代でも女性らしさを感じる人気部位のひとつ。その「形」や「柔らかさ」が、そもそも男性の本能を揺さぶるパワーを持っているのかもしれません。
時にはバストだけでなく、お尻も磨いて「セックスアピール」の部位を増やしてみるのもよさそうです。
そのお尻磨きを簡単にできるおすすめのケア方法や口コミをご紹介します。詳しく知りたい方は後背位(バック)をしてくれない彼。魅力的なお尻にするための解決方法をご覧ください。
1970年生まれ。1996年より、漫画原作者として活動。2009年、日刊誌連載「日本性史」にて、アダルトライターとして活動開始。
スマートフォンアプリ「セックスの日本史」、女性向けWEBサイト連載「蔦葛物語」「オンナとオトコの日本史/世界史」などの著作がある。