江戸時代のセックスマニュアルに、Gスポットの愛撫テクが?!

今からおよそ250年前、明和年間(1765~1772年頃)に書かれた『艶道日夜女宝記(びどうにちやじょほうき)』には、「陰みゃくの法」として、女性器の特別な愛撫法が書かれています。「陰みゃく」とは、女性自身も知らない性感帯のことです。具体的にはこう書かれています。
「ゑんこう渡すは、中指と人差し指の腹にて、玉門の内なる袋のやうなる物の、其はらを撫でる也。又、へのこの出入りも此処を擦るがよし」
つまり『艶道日夜女宝記』によると、幻の性感帯は、「玉門の内なる袋のような物の、其はら」にあるようです。そこを、「ゑんこう渡す」。「ゑんこう」とは、人形浄瑠璃の用語で手のこと。「ゑんこう渡す」で、手による愛撫のことです。
さらに具体的に、「中指と人差し指の腹にて……其はらを撫でる也」と愛撫法が記されています。現代語に訳すと、
「中指と人差し指を膣に差し入れて、その上部にあるふくらみを、指の腹で愛撫する」
ということです。
膣の上部のふくらみと言えば、現代医学で言う、Gスポットのこと。そう、つまり江戸時代の頃から、女性のGスポットの存在は知られていたという事なのです!驚きですよね。
どうしてGスポットは「陰みゃく」と呼ばれた?
解剖学的にGスポットとは、クリトリス(C)・尿道(U)・膣(V)からなる、「CUVコンプレックス」であると見られています。クリトリスの裏側に位置することから、クリトリス性感との関連を指摘する医学者もいます。一時期存在が否定されたこともありましたが、現在では確かに存在するものと見られています。
Gスポットはクリトリスと異なり、開発されることによって、はじめて性感を感じるようになります。だから、女性自身も知らない「陰みゃく」なのですね。
セックス中のGスポットの攻め方とは

『艶道日夜女宝記』には、愛撫方法だけでなく、セックス中のGスポットの攻め方についても記述があります。
Gスポットを指で存分に攻めたら、「へのこの出入り」つまり、男性器のピストンも、ここを意識して擦ってやるとよい、と書かれています。
そうすると、
「いかなる慎み深き女も、よがり出すこと、疑ひなし」
さらに、
「Gスポットを男性器で責めつつ、クリトリスも指で刺激してやると、感じないようにしている、プロの遊女ですらイってしまう」
とのこと。
江戸人のあくなき性への探究心は、西洋より早く、Gスポットを発見していたのです。
LCラブコスメでは、より具体的なGスポットの開発法を紹介したコラムもあります。
是非こういったコラムを参考に、一人で、あるいはパートナーとの新たな性感帯―『陰みゃく』開発に励んでみてはいかがでしょうか。
1970年生まれ。1996年より、漫画原作者として活動。2009年、日刊誌連載「日本性史」にて、アダルトライターとして活動開始。
スマートフォンアプリ「セックスの日本史」、女性向けWEBサイト連載「蔦葛物語」「オンナとオトコの日本史/世界史」などの著作がある。