ことの始まりは現地の女性のボディライン!?
プエラリアは、タイの北西部の山岳地帯に自生するマメ科の植物。根が大きく膨らみ「塊根」となるのが特徴です。現地では「白ガウクルア」と呼ばれています。
葛湯や漢方薬の葛根湯に使われる生薬・葛根などでおなじみの葛(くず)の親戚筋に当たる植物でもあります。現地では、若返りの薬としても知られ、また、塊根の部分を食用にもしているようです。
なんでも、この地域の女性の人達は色白で胸が大きいことから、プエラリアとの関係が示唆され、イギリスで研究が行われたことがすべての始まりだといわれています。
じつは、植物には女性ホルモン(エストロゲン)によく似た化学構造と性質を持つ物質が含まれていることが往々にしてあります。
これらは「植物性エストロゲン」と呼ばれ、体内で女性ホルモンとよく似た働きをします。
もっとも有名なのは、大豆に含まれているイソフラボン「大豆イソフラボン」ではないでしょうか?

女性の骨粗鬆症や更年期障害、乳がんなどに有効な素材として、アメリカの国立がん研究所などが研究を行ってきた素材です。
しかし、通常の食事以外にサプリメントでも摂った場合、過剰摂取となり、女性ホルモンのバランスを崩して月経周期が延長したり、子宮内膜増殖症などのリスクが高まるとのことで、1日のサプリメントでの摂取量を配糖体で48mgを超えないよう食品安全委員会では警告を発しています。
正しくしっかりボディケア
ところで、プエラリアには、ダイゼインやプエラリンのようなイソフラボンだけではなく、デオキシミロエステロール、ミロエステロールのような植物性エストロゲンが含まれています。
これらは、イソフラボンの1000~10000倍の強さの活性を持っています。つまり、プエラリアは女性ホルモンに近い働きを確実にするが、リスクも高いということを忘れてはいけないと思います。
"プエラリアを摂ったら女性らしい印象に近づいた"…これはよく聞く話です。
女性ホルモンに近い働きをしますから、乱れていた生理周期が整ったり、生理前のいやな感じがなくなったりする可能性も高いといえます。
その一方、ピルを飲んでいる方の場合、理論的にはピルの効果を低下させる可能性もあります。
しかし、難しいのは、確かにタイでは長い食経験を持つとはいえ、取り過ぎればイソフラボンと同じようなこともありますし、どの程度の量のプエラリアを摂れば体に作用してくれるかという「感受性」(男性よりも女性の方が低い摂取量でも影響を受けやすいというデータもあります。)の部分での個人差も非常に大きいのです。

とはいえ、安全に用いれば、バストの部分での可能性が非常に高いのがプエラリア。唯一無二の存在といってもよいかもしれません。そこで、"こうすれば大丈夫"なアドバイスを。
- 生理が早く来たり、経血の量が増えたりした場合は、プエラリアが体に働いている証拠なので、飲む量をそれ以上増やさないこと。体調がおかしいな、と思ったら飲むのを中止すること。
- 数ヶ月飲んでも変化がなければ諦めること。
自分の体の状態と相談しながら使いましょう。
薬剤師。1969年東京薬科大学卒業。
1992年伝説のクイズ番組『カルトQ』(フジテレビ系)で最高得点を記録し優勝。これまで、調剤薬局運営や薬剤師ライターとして多数の健康雑誌に連載を持つなど活躍。