とにかく気になる口臭
焼肉やペペロンチーノなど、ニンニクを使った料理を食べた後のお口の臭いって、気になりますよね。
でも、口臭っていろいろな原因で起こることが分かっています。
たとえば、歯周病との関係。
歯周病の原因となる数種類の菌(嫌気性菌)は、口臭の原因となる物質を作り出します。ですから、歯磨によってプラークコントロールをしっかり行うだけでも、口臭は抑えられます。
また、舌にできた白い苔(舌苔)も口臭の原因となることから、"食後の歯磨き"が虫歯予防以外にも役立つことになります。

ニンニク臭以外にも、お酒やたばこの臭いなど、胃腸からのガスや、食べ物が消化されて腸から血液、肺を通って呼吸で吐きだす呼気(にんにくを食べた翌日の臭いは皮膚からもですが)などが原因です。
口臭の原因となる物質は、専門的には揮発性硫化物と呼ばれ、メチルメルカプタン、硫化水素、ジメチルサルファイドなどがとりわけ鍵であるといわれています。
メチルメルカプタンは、たまねぎの腐ったような臭いで、歯周病菌から発生することが多い臭い、硫化水素は温泉や卵の腐ったときの臭いで、食事の食べかすから発生することが多い臭いです。
消臭剤を置いた玄関と口臭は同じ!?
ところで、どこのご家庭でもトイレや玄関に置いてある消臭剤。これってどういう原理で臭いを消しているかご存じでしょうか?
消臭剤は臭いの元となる物質を直接分解して臭いをなくします。(ちなみに冷蔵庫の中に置くタイプの消臭剤は活性炭が主成分で、これは臭いを吸着するたげで分解する力はありません。)
口の中の臭いの話に置き換えてみましょう。
ミント味のガムや飴などは、口臭を消すのではなく、別の強い香料で臭いをごまかしているだけ。(専門的にはマスキングといいます。)
口臭にもトイレや玄関と同じ原理の消臭が必要ではないでしょうか?
一番簡単なところでは「食後の緑茶」です。緑茶に含まれるフラボノイドやカテキンといったポリフェノールは科学的な消臭作用があります。
最近の研究データによれば、注目の消臭成分は、意外なことに、「柿」。それも、実が青いうちに収穫し、搾った果汁から得たタンニン(柿タンニン)という物質なのだそうです。

専門的に見れば、緑茶のカテキンよりも分子が大きい縮合型である上に、水酸基(-0Hってやつですね。)が多いので消臭効果が高いということになります。
消臭率は、アンモニアで94%、メチルメルカプタンで96.6%以上、硫化水素で99.7%というデータは正直、すごい!
しかも、口臭だけでなく、便の臭いまで消してしまうオマケつき。と、いうことは、彼氏の家でトイレに入るのが怖いという人のお悩みまでをも柿タンニンが助けてくれるわけですね。
食後の歯磨きと、柿タンニン。この組み合わせは最強のようです。
薬剤師。1969年東京薬科大学卒業。
1992年伝説のクイズ番組『カルトQ』(フジテレビ系)で最高得点を記録し優勝。これまで、調剤薬局運営や薬剤師ライターとして多数の健康雑誌に連載を持つなど活躍。