九通りのセックステクニックの第四は、『蝉附(せんぷ)』です。これは、蝉が樹にとまっている姿を表しているんだとか。実はこれ、寝バックのことなんです。
経験のある方は、「言われてみれば!」とピンと来る方もいらっしゃるかもしれませんね。それでは早速、当時の言葉でどのように説明されているのか、見ていきましょう。
蝉が木に止まっているような…「寝バック」

「女性はうつ伏せに寝て、身体を真っ直ぐに伸ばします。男性はその上に重なるように乗り、後ろから男性器を挿入します。それから少しお尻を上げて、女性の小陰唇を巻き込むように六×九の計五十四回ピストン運動を行うと、女性は悶えて愛液を流します。そして膣の中が激しくうごめいて、膣口が広がるので、女性が絶頂に達したら止めます。このようにすると、七傷(※後述)は自然となくなるでしょう」
女性はうつぶせに寝た状態で挿入する、「寝バック」と呼ばれる体位です。女性は足をピンと伸ばした姿勢(いわゆる「足ピン」)になるため、比較的イキやすくなるというメリットもありますよ。こちらの文章では、ピストンの回数まで書かれているのがとても面白いですね。
意外な場所に、隠れた性感スポットがある!?

さて、上記の文章に出てきた『七傷』とは、腎虚に関係した病気で、ED(男性が勃たなくなる状態)などの症状の事を指します。ここでは「寝バックでEDが治る!」としていますが、さすがにそんなことはないでしょう。
また、クリトリスやGスポット、ポルチオなどの影に隠れて、忘れられがちな小陰唇に目を付けたのはいいですね。小陰唇自体もクリトリス並みの性感を得られる場所ですが、小陰唇と大陰唇の境目に、隠れた性感スポットがあります。これを機に自分で探したり、パートナーに手伝ってもらったりして、開発してみましょう。
■イラスト:フジワラアイ
1970年生まれ。1996年より、漫画原作者として活動。2009年、日刊誌連載「日本性史」にて、アダルトライターとして活動開始。
スマートフォンアプリ「セックスの日本史」、女性向けWEBサイト連載「蔦葛物語」「オンナとオトコの日本史/世界史」などの著作がある。