九通りのセックステクニックの第三は、『猿搏（えんぱく）』です。「搏」には「つかまえる」という意味があるようで、『猿搏』は猿が枝を担ぐ様子を表しているのだそう。これをセックスに当てはめると、どのような体位になるのでしょうか？
グッと奥まで…！深く交わる『猿搏』
房中によると、『猿搏』は次のように説明されています。
「女性を仰向けに寝かせ、男性は膝をついてその両脚を肩にかつぎ、女性のお尻を持ち上げます。そして男性器を挿入して、クリトリスを突きます（※後述）。すると女性は悶えて体を揺り動かし、雨のように愛液を流します。男性がさらに深く突き入れると、男性器はますます硬く大きく怒張（勃起）しますが、女性が絶頂に達したところで止めるようにします。このようにすると、百病はおのずから治癒いたします」
お分かりいただけたでしょうか？これは正常位のバリエーションで、男性が肩に女性の脚をかついでおこなう体位です。挿入がグッと深くなる特徴があります。
挿入して「クリトリスを突く」？
さて、上の文章の中で「男性器を挿入して、クリトリスを突きます」とありましたが、挿入したらクリトリスは突けませんよね？これはおそらく、挿入前に男性器でクリトリスを刺激する前戯のことを指していると思われます。また、クリトリスの根元を膣内から刺激することによっても強い快感を得られますが、合わせてそちらのことも指しているのかもしれません。
しかし改めて見てみると、男性器を挿入しただけで女性が「悶えて体を揺り動かし」「雨のように愛液を流し」「絶頂に達し」たりするかのような、ちょっと男性贔屓の記述が多めです…。平安時代のことですから、このあたりはぜひ大目に見てあげてくださいね。
また、人気のセックス体位については下記の記事にも詳しくまとめてあります。お風呂エッチを楽しむ際の参考にしてみてくださいね。
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■イラスト：フジワラアイ
1970年生まれ。1996年より、漫画原作者として活動。2009年、日刊誌連載「日本性史」にて、アダルトライターとして活動開始。
スマートフォンアプリ「セックスの日本史」、女性向けWEBサイト連載「蔦葛物語」「オンナとオトコの日本史／世界史」などの著作がある。
