戦国時代のセックスマニュアル『黄素妙論』には、セックス(挿入)してはならない時についての五つの注意も書かれています。
「良くないことをすると身体を傷める」と逐一記されていますが、現代では医学的に証明できるものではありません。こればかりは戦国時代に書かれたもの…ここでは目をつぶりましょう。
しかし内容は現代に通じる部分が多くあります。さっそくご紹介しましょう!
濡れないうちに挿入するべからず

一.女性器がまだ何の反応も示さず、濡れてもいないうちは、男性は絶対に挿入してはいけません。
前戯なしで女性の秘部が濡れてもいないうちに挿入しようとする男性は…きっと大した男ではありません。女性のことを考えられないのですから、お付き合い自体を考えてもよいくらいと筆者は想います。
女性の「したい」を見逃すべからず
二.女性が充分に高まっているのに、男性が気づかないままでいると、女性も冷めてしまいます。そうなってからのセックスは女性によくありません。
高まっているのに挿入してくれない男性にも困りますよね。焦らすのにも限度があるので、そんな時は積極的に男性に乗っかっていくのも手ですね。
若い女に溺れるべからず
三.白髪の(年老いた)男性が、若くて元気のいい女性を相手にするのも、あまりお勧めできません。勃起不全なのに無理して挿入し、無理を重ねて射精することを続けると、男性は何も見えぬ病に陥るでしょう。
『黄素妙論』は「不老長寿のためのセックス」を説く本ですが、やはり限度があるようです。とはいえ現代では、一昔前なら「老人」と呼ばれていた男女も、セックスを現役で楽しむようになっています。
もしパートナーの性的能力が衰えていると感じたら、挿入や射精を無理強いせず、抱き合い、触れ合うことを楽しむようにしましょう。
女性の身体をいたわるべし
四.女性の生理が終わっていないうちに、無理にセックスをすると、男女ともお互いに身体を壊します。
身体を壊すかどうかはともかく、「生理中なら妊娠しないからナマで」みたいなことを求める男性もいます。そんな男性には、女性の生理がいかに大変で大切なものかをこんこんと説いて、反省させましょう。もちろん、生理が軽くて、生理中のセックスが気にならないカップルなら、そのままで構いません。
酔って理性を失った状態でセックスをしないこと

五.男性が酒に酔った状態で、女性が性的に冷めているにもかかわらず、無理をしてセックスに及べば、男性は身体を傷めることになるでしょう。
少量のアルコールで性感が高まる人もいますが、一般的には、セックスとアルコールは相性が良くありません。また、普段ならこちらが冷めていることを察してくれるパートナーも、酔っていたら気づかずにセックスを強要するかもしれません。
普段から、セックスについて「したいされたい時」「したいされたい事」をよく話し合っておくことが、一番大切です。
セックスは気持ち良くてこそ満足感を得られるものですから。
1970年生まれ。1996年より、漫画原作者として活動。2009年、日刊誌連載「日本性史」にて、アダルトライターとして活動開始。
スマートフォンアプリ「セックスの日本史」、女性向けWEBサイト連載「蔦葛物語」「オンナとオトコの日本史/世界史」などの著作がある。