Q.女性に質問です。乳がん・婦人検診を受けたことはありますか?
あなたは「婦人科検診」を受診したことがありますか?ラブリサーチが一般女性を対象に実施したアンケート調査『乳がん・婦人検診を受けたことはありますか?』では48.2%が「定期的に受診している」と回答しました。お寄せ頂いたコメントから、一部を抜粋してご紹介しましょう。
- 「芸能人の乳がんのニュースが多かったから」
- 「年齢を重ねていることから、自分は大丈夫とは言い切れないかなと思うからです。これからも健康に過ごしたいから、なるべく受診するように心がけています」
- 「今はその類のがんの低年齢化が進み、誰もがそのリスクファクターを多かれ少なかれ抱えています。さらに、私自身今度司法試験を受ける身なので、もしがんにかかり、それがかなり進行したものでしたら、司法試験どころじゃなくなる」
一方、「1度も受診したことはない」と回答した女性が19.8%…およそ2割が、婦人科検診未経験ということになります。5人に1人の割合…これはちょっと心配ですね。
この記事は、婦人科検診に躊躇がある女性に向け、婦人科検診の重要性をお伝えするため、筆者が経験した子宮頸がん精密検査から入院・オペに至るまでの体験記とさせて頂きます。あなたにとって、婦人科検診のきっかけとなれば幸いです。
子宮頸部「異形成」発見の経緯
婦人科検診デビューは2016年…、39歳になった年でした。やはり40歳を前にして、健康面が気になってきたのです。自治体の無料検診を利用し、乳がん検診と子宮頸がん検診に申し込みました。検査結果は後日、郵送にて自宅に届くシステムです。
乳がん検診は異常なし、子宮頸がん検診は…
そして検査結果!乳がん検診は異常なし、一方で子宮頸がん検診は要精密検査とのこと。通知を開封した際は、ショックのあまりポテトチップスをヤケ食いした記憶があります。人間ってショックが大きいと、ポテチ1袋を一気食いしてしまうようです。いまとなっては笑い話ですが、笑える「いま」が来て本当に良かった…!
精密検査「コルポスコピー」
ポテチドカ食いしている場合ではございません。精密検査の予約を入れ、再び婦人科へ。コルポスコピーと呼ばれる検査で、腟の外にカメラ機器を置き、子宮頚部を拡大観察されました。酢酸液を散布すると、病変が浮き上がる仕組みになっています。浮き上がった病変を採取して、病理に回す流れです。
半年毎の経過観察
結果は、「がん」には進行していないものの、異形成を起こしているとのこと。以降、半年毎に経過観察ことになりました。異形成から自然治癒するパターンもあるそうですが、1年以上続くと、自然治癒の期待値はぐっと低くなります。
紹介状を持たされ、がん専門の大病院へ
筆者の場合、自然治癒どころか、2年ほど経過した2018年の年末に受けた経過観察で異形成の進行が判明!紹介状を持たされ、がん専門の大きな病院に赴くことに…。専門病院では、これまで半年毎だった経過観察が4ヶ月後、次は2ヶ月後と間隔が狭まっていきます。そして2019年夏の時点で、「円錐切除」を薦められました。
円錐切除術とは?
円錐切除とは、子宮頸部を文字通り円錐状に切除するオペのこと。お腹にメスを入れる開腹術ではなく、膣から直接操作をするので、身体への負担が少ない治療法です。身体に負担が少ないとはいえ、オペはオペ!2泊3日で入院することになりました。
局所麻酔or全身麻酔?
麻酔は、病院によっても異なるようですが、筆者の場合は全身麻酔。そのため、オペの同意書や入院同意書とあわせて、麻酔同意書への家族サインが必要となります。麻酔といえば、「現在、グラついている歯は?」と、意外な質問をされました。グラついている歯があると、全身麻酔の影響で稀に抜けることもあるんですって。定期的な虫歯検診も大事ですね!
いざ入院!
オペ前日から入院となります。食事は、夜の21時までは可能なので、ちゃんと夜ご飯を出して頂けました。病棟内のシャワーも浴びることができたので、ほぼ通常と変わらない1日です。むしろ、通常よりも健康的だったかもしれませんね。夜22時には消灯、起床は翌7時だったので。
恥ずかしがるほうが恥ずかしい!
明けて当日、オペ室へ向かう前に、座薬を挿入され浣腸を行ないます。これに関しては、恥ずかしがっているほうが、よっぽど恥ずかしい!看護師さんは、業務として行なっているわけですから、お任せしましょう。
オペ前って緊張するの?
そして、いよいよオペ室へ。筆者の場合、緊張はゼロでした。看護師さんにも「緊張していますか?」と訊ねられたのですが、「歯医者で親知らずを抜いたときに比べりゃ全然です」と回答。モチロンこれは、個人の感覚ですので、ご参考までに。
所要時間1時間で完了
正直なところ、麻酔は痛かったです。但し筆者の場合、腕の血管が細いため、手の甲に刺したせいかもしれません。「痛かった」といっても、心の中で3秒ほど数えたあたりから意識はなく、次に目を覚ましたときには、なんとオペは終わっていました。所要時間は計1時間ほど。
オペ後の痛みは?
オペ後3時間は、不謹慎な喩えで恐縮ですが、ロストヴァージンを彷彿とさせるような痛みが2~3時間続きました。3時間後、呼吸器と点滴を外され、歩行訓練を終える頃には痛みも引き、夜ご飯から通常食です。そして翌日、膣に詰められていたガーゼを除去して退院。費用面ですが、筆者の場合は7万円弱。そこそこの出費です。ここまではあっという間でしたが、むしろ闘いは退院後の1ヶ月でした。
本当の闘いはオペ後1ヶ月間!

オペ後の1ヶ月は、少量とはいえ出血が続くので、ずっとナプキン生活…。痛みはないのですが、1ヶ月間ずっとナプキンって、けっこうなストレスですよ。また、雑菌の侵入を防ぐため、湯船も厳禁でシャワーのみ。もちろん激しい運動もご法度。1ヶ月後の検診で、湯船やスポーツの許可を頂けた時は、これまた不謹慎な喩えですが「釈放!」という気分でした。実際には、また4ヶ月後に再発チェックの診察があるので、釈放ではないんですけどね。
筆者の場合、進行前の異形成段階でオペに踏み切ったため、大がかりな子宮全摘出ではなく、子宮頸部の円錐切除で治療できました。これは、定期的な検査の賜物と痛感しています。気付かないうちに進行していることもあるので、そうならないためにも、どうか検診の機会はスルーせず、積極的に受診してくださいね。「転ばぬ先の杖」ということわざもあります。健康体で恋や仕事を楽しむためにも、婦人科検診へGO!

1977年3月17日生まれ。20代の頃に様々なナイトワークを経験、男女の性愛について身をもって学ぶ。 引退後はコラムニストに転身。
菊池美佳子さんブログ⇒https://mikakomikako.exblog.jp/