夫婦になっても、セクシーな関係を保っていますか?
付き合っていた時にはあんなに色っぽく感じられていたのに、夫婦になった途端、お互いにセクシーさを感じられなくなった…そんなご夫婦は意外と多いのではないでしょうか。
まだ結婚して間もないのに、「夫婦」というフィルターを通した途端、お互いセクシーさとは無縁の関係になってしまったことが悩みだという話をよく耳にします。
半世紀ほど連れ添った"いぶし銀"的関係のご夫婦ならば、仮にセクシーさとは無縁でも、すでに2人にとっての夫婦のあり方が確立されているので問題ないかもしれません。
しかし、「これからお子さんを望んでいる」という比較的フレッシュなご夫婦の場合、セクシーな関係が保たれていないことは大きな問題といえるのではないでしょうか。
夫婦は、れっきとした男と女。セクシーさをキープすることは、まだフレッシュな夫婦にとって非常に大切なポイントのひとつだと思うのです。
不妊の原因で意外と多い「セックスレス」
なぜ、こんなにも「夫婦間のセクシーさ」にこだわっているのかというと、それは不妊に悩むご夫婦の中で、いわゆる「セックスレス」のカップルが皆さんのご想像以上に多いからです。
不妊の原因というと、大体の方が「女性の年齢」や「月経不順」などを思い浮かべると思います。たしかにそれらが原因となっていることには違いありません。しかしながら、実はセックスレスが一因になっているというケースも決して少なくないのです。
セックスレス――すなわち「しなくなる」のが、不妊に悩む前からなのか、それとも不妊を意識するようになってからなのか、タイミングはさまざまですが、夫婦ともに子どもが欲しいのにセックスをしない、できないカップルがいることは、特に珍しいことではないのです。
ちなみに不妊とは、WHO(世界保健機関)が2009年に発表した定義によると、「避妊をせず、定期的な夫婦生活があるにも関わらず、1年以上にわたって妊娠しない」場合のことを指します。平たく言うと、1年以上コンドームなしでセックスしているのに赤ちゃんが授からない=医学的に不妊と認定される、というわけです。
なぜ不妊がセックスレスを招くのか
妊活に取り組んだり、不妊に悩んだりしているカップルがセックスレスに陥りやすいのはなぜか――それは、子作りを意識した途端、セックスが悦びや快楽を得るものではなく、子作りための義務になってしまう場合が多いからです。
かなり乱暴な例えで恐縮ですが、例えば映画を見ることが大好きで、将来は映画監督になりたいと思っている若者が「よし、将来の夢のために、明日から毎日2本必ず映画を観ることにしよう!」と決めた途端、映画を観なくなってしまうということがあります。それは、「毎日必ず映画を観る」という課題を自分自身に課してしまった時点で、「映画を観る」という行為が単なる楽しみから義務に変わってしまったからです。
そして、その結果、これまではほぼ毎日必ず映画を観ていたにも関わらず、突然、映画鑑賞自体を避けるようになってしまうという、不思議な現象を引き起こすのです。
不妊によりセックスレスに陥るのも、さきほどの例えとほぼ同じような仕組みと言ってよいでしょう。「妊娠するためにセックスしなければ」と思う気持ちが、セックスに義務感を与えてしまい、結果、そうした行為から遠ざけてしまうのです。
昨今、不妊についてメディアで取り上げられる機会が多くなったことで、「不妊で悩んでいる人が増えている」ことは、それなりに世間一般に浸透してきたと思います。 しかし、不妊を改善したいと願う過程のなかに、さきほどのようなセックスレスに関する悩みや問題があることは、まだあまり知られていません。
このコラムでは今後、そうした不妊や妊活に関する情報や悩み、解決策などをできるだけ正確に、かつ可能な限りわかりやすくご紹介していきたいと思っています。お伝えするそれらの情報が、読んでくださった皆さんにとって少しでもお役に立てると嬉しいです。
また、夫婦のセックスレス解決のヒントは下記記事でも紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。
ラブラブ夫婦でいる秘訣についてはこちら
PR会社、マーケティングリサーチ会社、モバイルコンテンツ制作会社などでの勤務を経て、2009年よりフリーランスのライターに転身。
おもに妊娠や不妊に関する執筆を手がけ、医師や専門家への取材も多数。2014年4月に発売された「不妊治療ステップアップベストガイド」の執筆を担当。レディース予防医学指導士。