メス猫はセックスのたびに、あの痛みに耐えている!


猫は、我々にとって最も身近な動物の一つです。しかし発情期の猫は困りもの。あの鳴き声や行動に、悩まされたことのある人も少なくないのではないでしょうか。しかし、交尾のときのメス猫の苦痛を知れば、同情心も湧くかもしれません。初めてのときのあの痛みを、なかなか忘れられない女性も多いかと思いますが、実はメス猫はそれ以上の痛みを交尾のたびに感じているのです。
確実に子孫繁栄をするための、さまざまな特徴

メス猫の発情は、飼い猫なら生後5~9ヶ月、野良猫なら15~18ヶ月頃からスタートします。これに対してオス猫の発情は、飼い猫で生後9~12ヶ月、野良猫で18ヶ月頃と、ややメス猫より性的成熟が遅れるようです。猫の発情期は、2~4月上旬、および6~8月頃に訪れることが多いようです。これは温暖な時期に子どもを産んだ方が、新生児の生存率が高まるからでしょう。
多くのメス猫は、14~21日間の発情サイクルを持ちます。サイクルは「発情前期」「発情期」「発情後期」「発情休止期」の4つの周期で構成されます。発情前期になると、メス猫は、オス猫のマウンティングやネックグリップ(メス猫のうなじの皮膚をオス猫がくわえる)を許しますが、交尾までは許しません。この時期、メス猫は複数のオス猫に接近を許すことが多く、メス猫を巡っての、オス猫同士の争いが見られます。
いよいよ発情期に入ると、メス猫は交尾を受け入れるようになります。発情期は、交尾があれば約4日、なければ5~10日間ほど続きます。さて、問題はこの交尾です。実は、オス猫のペニスには、たくさんの小さなトゲがついています。このトゲは、オス猫のペニスがメス猫から引き抜かれる時に、激しい痛みをもたらします。しかし、この痛みが引き金となって、メス猫は排卵するのです。メス猫は、交尾のたびに、人間の女性が初めて経験したときのような、あるいはそれ以上の痛みを感じ、その痛みによって、妊娠を確実にするのです。
人間の女性も、「痛み」に悩む人は多い

人間の男性はペニスにトゲがついているわけではありませんが、約90%の女性が性交痛を感じたことが「ある」と答えています。(2005年マイエルシー調べ)。そして普段のラブタイムに痛みを感じながら、パートナーにそれを打ち明けられない女性は、意外に多いようです。
「子どもが欲しいから……」
と痛みに耐えてパートナーを受け入れている女性もいらっしゃるでしょうが、そんな我慢を続けると、セックス自体が嫌いになってしまうかもしれません。
幸い、人間には挿入をスムーズにするローションをはじめ、ラブタイムの痛みを和らげるための便利なアイテムがたくさんあります。パートナーにラブタイムの痛みを打ち明け、アイテムを使って、2人で協力して、安心できるラブタイムを目指してみてはいかがでしょうか。

1970年生まれ。1996年より、漫画原作者として活動。2009年、日刊誌連載「日本性史」にて、アダルトライターとして活動開始。
スマートフォンアプリ「セックスの日本史」、女性向けWEBサイト連載「蔦葛物語」「オンナとオトコの日本史/世界史」などの著作がある。