アレを作るときに一番考えるコト

アレを開発する際、いろいろなことを考える。
お悩みや目的、サイズや素材、仕様はもちろん。
そんな中、私が特に考えることがこれ。
「どうすれば、女性がもっと気持ちよくなれるのか?」
購入して使ってくれる方から、
思った以上に「気持ちいい」「良かった!」と思っていただくには
今のままでいい?
もっと何か必要では?
本当にこれで満足できる?
と自問自答しながら進める。
そしてさらに悶々。
「もし全国・女性を濡らす選手権」があったら圧勝なんじゃない?
いやでもAV男優さんとか、女性用風俗のセラピストには勝てないな。
でも、バイブで勝てたらすごくない?
その昔、超有名AV男優さんのフィンガーテクバイブがあったけど、
アレって今でも売ってるのかなあ。
と、モンモンモンモン。
そして一周まわって元に戻る。
女性器の作りや、感じるツボは人それぞれ。
上付きの人にはいいけど、下付きだと当たらない。
クリと中同時に届く人と、クリだけ、中だけ、ということもある。
だから、クリがダメなら中、中がダメならクリ、両方ダメなら乳首、など。
1つのバイブレーターに複数の魅力を持たせ、
潰しがきくようにしている。
ラブグッズの世界も社会の縮図だ。
そんな多彩な魅力を持つバイブレーター。
ネーミングにも工夫してきた。
- MU(ム)→無になるという意味
- ピンクナルコ→鳴子こけしをヒントにした
- リスデス(DEATHメタルのDEATH!)→リスの形、ユーモアをプラス
もしかしたら、これからはもっと自由で、エンタメ性のあるバイブも
たくさん出てくるかもしれない。
ただ、どんな形でも、私は常に「どうすれば女性は……」の悶々は繰り返していると思う。
フェムテックなモノも増えているけど、どうなっても、使用した後の生活が少しでも快適になればいい。
私の想いは、いつもシンプルだ。
あの質問、変だったかもしれない

ところで以前、パートナーとのラブタイムとバイブはどちらがいいか?
というようなアンケートを実施した。
回答の多くは
- パートナー:愛情を感じる特別な行為
- バイブ:性欲を満たすもの
という結果だった。
今考えてみると、この質問、ちょっと変だったかもしれない。
自分で取っておいて、情けないのだが……愚問。
パートナーとバイブって全然別モノ。
で、所詮私たちが作っているアレって、一時的な欲望を満たすもの、と思われがち。
事実、そうかもしれない。
でも、バイブってもっと身近というか、親しみやすい友達みたいになれたらな、
と勝手に思っている。
バイブの良さって、気を遣わないでいいところとか、気兼ねない友達感覚というのも ありませんか?という。
たしかに道具の一つなのだけど、人間の3大欲の1つを満たしてくれる。
パートナーは大切な存在で、バイブは気軽な友達。
面倒なときは何も言わないし、会いたくなければ会わなくていい。
そんな風になればなあ。
すでになっていたら、これからも末永くよろしくお願いします。
そして、壊れたら捨てればいい。
また新しいのを買えばいい。
私もバイブにいつ捨てられるかわからない。
でも、いらない、捨てると言われるまで、開発は続けていこうと思う。


皮エミ(カワエミ)。コスメ、ラブグッズの企画、開発担当。現在18年目。グッズアドバイザー森沢さんと、開発者花川さんの間にいる。エッセイ、コラム、イラスト、4コマ漫画など多数対応。現在もスタッフとして奮闘中。
●note:https://note.com/emikw→少し濃いエッセイ。全体的に性的な視点が多くあります。NGな方はお控えください。