17センチ、3センチ

17センチ、3センチ。
私がアレを作るときに欠かせない数字。
17センチとはバイブレーターの全長の基本数値。
3センチは、バイブレーターの直径の最大基本数値。
初めから決まっていたことではない。
私が長年研究してきた、導き出した数字。
男性器の勃起時の平均サイズは13センチ前後。
直径は約3-3.5センチくらい。
一方女性器の深さは約7センチらしい。
ということは
- 17センチ→勃起時にプラス4センチ(持ち手や電池ボックスなどその他部材ふくむ)
- 3センチ→平均サイズをクリア
こんな感じの独自の考えで、進めてきた。
でも、ただこの数字を守って作ればいい、というワケではない。
アレの用途やデザインによって、細かく変えている。
初心者から中級者向けのものは、直径にプラス5ミリ。
中級者から上級者向けには、プラス7-8ミリ。
性行為が未経験の方、入りにくい方向けは2-2.5センチにしている。
ミリ単位の変化で、女性の快感をサポートしているのだけど、
それでも全員にピッタリ、ということはない。
で、気になるのが、サイズを測ってラフは書けた。
数ヶ月後には試作品が届く。
その後、サイズと膣内の当たり具合は、実際どう確認しているのか?
というコトだと思う。
もちろん、モニターコミュニティーもあるのだけど、
間に合わない、モニター数が足りない、というときは、アレにつっこむ。
アレをアレに。
正解は……

正解はオナホール。
しかも何種類か用意してチェック。
B品を集めて、半分に切ってバイブの試作品を挿入する。
オナホールはもちろん膣そのものの作りではないので、
あくまでも参考程度。
並行して集めたモニター意見と照らし合わせて、基本的な当たり具合と、
予定していた目的にあっているか、を見ていく。
あるときは、朝出社してすぐ、
七時半からこの作業をしていた。
自分のパソコンで、映像校正用のDVD(『LOVE*48』とか『ラブマスター100』とか)
流しながらオナホールにバイブつっこむ。
朝の静まり返ったオフィスで。
一見シュールに見えるこういう作業が、快楽につながっていると思うと、
なんだか重要な任務をしているように思える。
「私のこの1ミリ単位のこだわりが、日本の快感を変えているのだ!!」
と思いながら、粛々と仕事をしていく。
自分1人くらい、そう思っていてもいいじゃない……。


皮エミ(カワエミ)。コスメ、ラブグッズの企画、開発担当。現在18年目。グッズアドバイザー森沢さんと、開発者花川さんの間にいる。エッセイ、コラム、イラスト、4コマ漫画など多数対応。現在もスタッフとして奮闘中。
●note:https://note.com/emikw→少し濃いエッセイ。全体的に性的な視点が多くあります。NGな方はお控えください。