タントラとオーガズム
インドと「性」を語る上で、もうひとつかかせない教えである『タントラ』。そもそもタントラとは?チャクラとは?タントラを体得するとどのようないいことが起きるのでしょうか?
オーガズムの考え方やその関係性とあわせてご紹介します。
「タントラ」って何?


日本では、セックスって恥ずかしくて後ろめたいもの、隠さなければいけないものというイメージがあるように思いませんか?いつ頃からセックスにそういったネガティブなイメージをもたれるようになったか定かではありませんが、江戸時代以前の日本は現代と比べると非常に性に対しておおらかで自由奔放にセックスを楽しんでいたと言われています。
そんな昔の日本に密教として伝来したのが古代インドの「タントラ」と呼ばれる教義。「セックスを通して神とつながる」といった教えを示しており、その当時の日本では一部で真面目に受け入れられ実践されていたようです。
タントラは、それまで高僧(徳の高い僧)のあいだで伝わっていたインド哲学のさまざまな教えを、庶民にも分かりやすくまとめたものです。その中で「誰にでも実践できる神と一体化できる方法」としてセックスが取り上げられていました。タントラでは、陰と陽の関係にある男女が交わりオーガズムを得ることで、ひとつの宇宙が完成し神とつながると説いているのです。
オーガズムを得ると一般的に「頭の中が真っ白になる」「宇宙に飛び出したような天にも昇る心地になる」と言われますよね。そういった感覚が神とつながり一体化する意識と結びつけられていたのかもしれません。
エネルギースポットを活性化させる「タントラ・ヨガ」
「タントラ・ヨガ」という講座やワークショップが日本でも増えてきています。実際に古代のタントラの教えの中でそういったヨガのポーズや実践方法が書かれているわけではありませんが、ヨガや瞑想をすることでチャクラを開き、性的エネルギーを高めオーガズムを感じやすくしたり子宮の動きを活性化したり、まさにタントラの教えのようにセックスを通じて人生をより豊かにする狙いがあるようです。人間の幸福とセックスやオーガズムを得ることを結びつけている点はカーマスートラの教えともつながっていますね。
「チャクラ」ってよく聞くけど具体的になんのこと?と思う人も多いかと思います。チャクラは人体の背骨上にある7つのエネルギースポットのことで、体の各器官や神経系とつながっています。それぞれのチャクラが活性化することを「チャクラが開く」と言います。
タントラ・ヨガは、ちょうどおへそから指3本くらい下にある性を司る第2のチャクラ、『スヴァディシュターナ・チャクラ』に効くポーズを取り入れたヨガのことです。一般的に『おへその下あたりにエネルギーが集まりやすいポーズ』が第2チャクラに効くと言われています。その一例として「シャラバーサナ」、日本語では「バッタのポーズ」と呼ばれているものをご紹介しましょう。
まず、うつ伏せに寝た状態で親指を中に入れる状態の拳を作り、その両手を腰と床の間に挟みます。そのまま両脚をまっすぐに伸ばした状態で天井に向けて付け根からゆっくり持ち上げます。自然な呼吸を心がけ、10~30秒キープした後、ゆっくりと戻します。

ちなみに、実際にやってみると分かるかと思いますが、このポーズはヒップアップにも効果絶大ですよ。
性を司るチャクラを活性化させる方法って?
この第2番の性のチャクラを活性化させるには、ヨガはもちろん下記の方法も効果的です。
★ヨガのほかにも!簡単な第2チャクラの活性化方法3選
- (1)腰を回すエクササイズ&ダンス
- (2)お腹にオレンジ色を身につける
- (3)オレンジの光をイメージしながら瞑想
腰を回すようなエクササイズやダンスはお家でのちょっとした待ち時間に手軽に取り組むことができるのでオススメ。また7つのチャクラにはそれぞれ固有の色があるのですが、第2チャクラの色はオレンジ色なのでインナーや腹巻などお腹のあたりにオレンジ色のものを身につけるといいでしょう。
そして第2チャクラを開く瞑想法としては、目を閉じて下腹部あたりにオレンジ色の光が満ちているイメージをしてみるのも効果的です。ちなみに、よく赤いパンツを履くと健康にいいと言われますが、これは心身の根源的なパワーを司る赤色の第1チャクラが肛門部にあるためです。
パートナーとの付き合いが長くなるほど、以前より刺激やドキドキを感じられなくなり、セックスの頻度が減ってしまいがちですね。ラブタイムにいろいろ工夫するのもいいですが、普段の生活でも第2チャクラを開くように意識してみてはいかがでしょうか。

ヒマラヤ山脈をこよなく愛するインド在住ライター。
最近のハマりごとは、天然石のマクラメ・アクセサリー作りやインドのハーブ研究。 インドの首都、デリーのマニアックな街角情報や旅、インド美容についてなどの執筆が得意分野。